
舞と佐祐理さんは卒業後、同じ大学に通うので同居生活を始めた。俺も一緒に暮らしたかった
のだが両親の許可が出ず(秋子さんは1秒で了承したが)断腸の思いで諦めた。
大学に入学したら同居を認めるという両親の言葉に、俺はどうせなら二人と一緒の大学に行こうと
決心した。だが、はっきり言って二人の通う大学は俺の学力ではかなりきつかった。
しかし、名雪や香里そしてなにより佐祐理さんによる特訓のおかげで俺は二人と同じ大学に入ることが
(補欠合格だが)出来た。そして俺達三人の共同生活は始まった。
三人での共同生活は多少の問題もあったが(舞がいきなり泣き出したとき慰めたり、佐祐理さんが家事を
全てやってしまおうとするので慌てて家事分担を決めたり、そして何より舞とのHを何時するかに悩んだ。)
そんな悩みは些細な事と思えるくらい楽しかった。
しかし二人が先に大学を卒業して舞が介護施設で、佐祐理さんが父親の元で秘書見習として働き始め
俺も就職活動に追われるようになった時、今の生活が何時までも続くものではないと思い知らされた。
そして就職が決まり、いよいよ卒業が現実のものになろうとした時俺は一つの決心をした。
ある佐祐理さんがいない夜、(普段はこんな夜することは決まっていたが)俺は舞をリビングに呼び出した。
「舞、お前に大切な話がある。」
「祐一…一体何?」
「俺ももう卒業だ。そうなったら今のような生活はもう出来ないと思う。」
「祐一…そんな事言わないで…ぐすっ、ぐすっ。」
舞が泣き始めたので俺は慌てて続けた。
「それでだ、舞…俺はお前を両親に正式に紹介しようと思う。」
「祐一…それって…。」
「そうだ…舞…俺と結婚して欲しい。」
俺がそう言うと舞は目に一杯涙をためてうなずいた。
「祐一…嬉しい・・でも、でも、佐祐理は?」
「勿論話したさ。喜んで祝福してくれたよ。」
「うん…祐一…わかった。」
嘘だった。佐祐理さんにはそんな事言ってなかった。勿論、佐祐理さんが祝福してくれるであろう事は
疑ってなかったが、佐祐理さんを置いて二人だけで幸せになろうとする事への後ろめたさが俺に
佐祐理さんがいないときにプロポーズをさせ、さらにあんな嘘までつかせたのだった。
佐祐理さんに俺達のことを言おうとする舞を寝かせ(この為に佐祐理さんが深夜まで帰ってこない日を選んだ)
翌朝、舞が起きてくる前に俺は佐祐理さんの部屋に行き昨夜のことを話した。
「祐一さん…やっと決心してくださったんですね。おめでとうございます。舞と幸せになってくださいね。」
「佐祐理さん…ゴメン…俺は自分達だけ幸せになろうと…。」
「あはは―っ、佐祐理のことはいいんですよ。気にしないで下さい。」
「そんな事言っても…佐祐理さん…。」
俺が続きを言おうとする前に佐祐理さんは後ろを向いて強い口調で続けた。
「本当に…佐祐理のことは気にしないで下さい…それにこれ以上やさしい言葉をかけられたら…
佐祐理…二人のこと…笑って祝福できなくなります…。」
「佐祐理さん…本当に済まない。」
「祐一さん…謝らないで下さい。ごめんなさい…ちょっと一人にしてください。」
俺はこれで良かったんだと自分に言い聞かせ佐祐理さんの部屋を出た。
俺は佐祐理さんが朝食に出てきたときどんな言葉をかけようかと悩んだ。しかし、佐祐理さんがいつもの
ように現れ、そして舞に祝福の言葉を言うのを見て、佐祐理さんのことはこれで終わったんだと思ってしまった。
でも、その時の俺は佐祐理さんの気持ちを全く理解してなかったのを後で思い知らされたのだった。
その夜、いわゆる草木も眠る丑三つ時、俺はドアをノックする音で目が覚めた。
寝ぼけ眼でドアを開けるとそこには佐祐理さんがネグリジェ姿で立っていた。
「祐一さん…こんな時間にすみません。ちょっとお話があります。」
「佐祐理さん…一体何?こんな時間に。」
「祐一さん…佐祐理を抱いてください…。」
「…!佐祐理さん、一体何を言ってるのかわかっているのか?」
「勿論です、祐一さん。佐祐理は冗談でこんなことを言うような娘ではないつもりです。」
部屋に入ってきたときの佐祐理さんの様子から、こんなことになるかもしれないと思ってはいたが
いざ実際に起こるとその衝撃は予想以上だった。
「でも、佐祐理さん、俺には舞が…」
「それ以上言わないで下さい!わかっています、祐一さんが好きなのは舞ということは。でも、
佐祐理も祐一さんのことが好きなんです。愛しています。この気持ちは舞にも負けていないと
思っています。でも、同じくらい舞のことも好きなんです。だから佐祐理は…。」
そこまで言うと佐祐理さんはいったん言葉を切り、俺の言葉を待たずにさらに告白を続けた。
「だから佐祐理は祐一さんと舞のことを祝福してあげたいんです。でもこのままじゃ…ダメなんです。
だから、だから、佐祐理に一夜の思い出を下さい…。それで、佐祐理は祐一さんと舞のことを
心から祝福することが出来るんです…。」
そこまで言うと感極まったのか泣き出してしまった佐祐理さんを抱きしめずにいられるほど
俺は人間が出来ていなかった。俺に抱きしめられると佐祐理さんは一瞬身体をこわばらせたが、
すぐに体の力を抜き俺に身体をあずけてきた。
「佐祐理は、佐祐理は、酷い女です。親友の恋人をこんな方法で…こう言えば、優しい祐一さんは
佐祐理を拒絶しないだろうって計算して…祐一さんの優しさにつけ込むようなまねを…。」
俺はこれ以上佐祐理さんの悲壮な告白を聞きたくなかったので、佐祐理さんの唇を俺の
唇でふさいだ。最初はびっくりして目を見開いた佐祐理さんもすぐに目を閉じ、俺のキスを受け入れた。
しばらくして、俺が舌で佐祐理さんの唇をこじ開けると佐祐理さんも舌を絡めてきたので俺達は
しばらくの間我を忘れて互いの唇をむさぼりあった。やがて長いディープキスが終わると佐祐理さんは
「今夜だけは佐祐理と呼び捨てで呼んでください…。」
と言うとネグリジェを脱ぎ捨て俺に抱き着いてきた。佐祐理の身体は舞ほどグラマーではなかったが、
それでも俺の理性を木っ端微塵に打ち砕くぐらい官能的だった。俺は佐祐理の目を見て
うなずくと佐祐理を俺のベッドに両手で抱きかかえ運んだ。
俺は佐祐理をベッドのふちに座らせると再びキスをした。今度のキスもお互いの舌を絡め合う
ディープキスだった。俺は佐祐理と激しく舌を絡めあいながら佐祐理の胸に手を伸ばした。
俺の手が胸に触れると佐祐理は身体を硬くして俺から離れるような動きをしたが、俺はかまわず
佐祐理を逃げられないようにして佐祐理の柔らかい大きな胸を揉み始めた。
しばらく揉んだ後で既に硬くしこっていた乳首を人差し指と親指の間で押しつぶすような動きを加えると、
佐祐理の唇からは甘い吐息がもれた。ややあって唇を離すと俺と佐祐理の間に二人の唾液が混ざった
糸を引いた。俺は涙と唾液でくしゃくしゃになった佐祐理の顔を見つめると佐祐理をベッドに押し倒した。
もう一度軽くキスをすると俺は舌を首筋から胸へと這わせていった。
「ああっ…祐一さん…くぅっ。」
俺の舌がさっきの愛撫でいっそう硬さを増した乳首に触れ、唇で優しく挟んでからゆっくりと舌で乳首を
転がすと佐祐理は切なそうにあえいだ。そして俺がもう一方の乳首を左手の人差し指の腹で転がしながら
右手を佐祐理の下半身に伸ばすとそこはもうすっかり濡れ細っていた。
「佐祐理、感じているんだね?」
俺がこんなときに舞にかける言葉を佐祐理にかけると佐祐理も舞と同じように真っ赤になってしまった。
「祐一さん…意地悪な事言わないで下さい…。」
「じゃあ、代わりに意地悪なことをさせてもらおう。」
俺が佐祐理の腰を浮かせ、脚を広げて股間に顔を入れようとするとさすがに佐祐理は抵抗したが、
佐祐理の絹のようなはだ触りの太腿を両手で優しくなぜると佐祐理の抵抗は次第に無くなっていった。
いやっ、祐一さん、見ないで下さい…。」
俺が太腿の間に顔を埋め、佐祐理のすっかり濡れたアソコを見つめると佐祐理はさらに顔を
赤くした。俺はかまわず佐祐理のアソコに口をつけるとアヌスのほうまで濡らしている愛液をすすった。
「ううっ…祐一さん…恥ずかしいです…。」
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ、佐祐理。」
俺はしばらく割れ目の中を舌で舐めていると、クリトリスも立っているのに気がついた。
「いやっ、痛いです、祐一さん!」
俺がクリトリスの包皮をむくと佐祐理は痛がったが、包皮をむかれて外気にさらされている
クリトリスを優しく舌で舐め上げると佐祐理は喘ぎ声を上げて腰を震わせた。
俺はすっかり濡れている佐祐理の膣に人差し指と中指をさしこんでみた。すると2本の指はあっさり
根元まで埋まった。埋まった2本の指をゆっくり往復させると佐祐理はかわいい喘ぎ声を上げ、
膣は俺の指を締めつけた。痛くないように優しく指を往復させながらすっかり充血しているクリトリスを
舌で舐めあげると、
「ああっ、祐一さん、ううっ、はあぁぁっ!」
佐祐理がひときわ大きく喘ぐと、アソコからは愛液が断続的に吹き出した。
「佐祐理…イっちゃったんだね…。」
「ううっ、恥ずかしいです…。」
「そんな事は無い。とても可愛かった。」
さすがにもうこれ以上我慢できそうになかったので、俺は手早く全裸になるとこれ以上無いほど
硬くなっているペニスに手を添えるとさっきの絶頂の余韻かまだヒクヒクしている膣口にあてた。
「いくよ…佐祐理。」
「あっ、ハイ…祐一さん…。」
俺はもう我慢出来そうに無かったので勢い良く一気に挿入した。
「!!…ううっ、くうううっ!」
俺は途中で何かを突き破るような感覚を覚え、佐祐理を見るとシーツをぎゅっと握り締め、
涙を浮かべて痛みに耐えていた。
「佐祐理さん…まさか初めてだったのか?」
「いいんです…佐祐理は…祐一さんでよかったんですから…それより…今は
呼び捨てのはずですよ?」
そう言うと佐祐理は無理に笑ってみせた。
「佐祐理…そんな口が利けるなら大丈夫だな。」
「はい…祐一さん…佐祐理のことは気にしないで続けてください…。」
勿論、平気なはずは無かったがそこまで言う佐祐理を見て俺は行為を続けることにした。
俺はなるべく佐祐理が辛くないようにクリトリスを優しく愛撫した。そうすると多少は緊張が解けたのか
前後運動がスムーズに出来るようになってきた。
「ふうっ、くうぅ、ゆ、祐一さん、さ、佐祐理何か…。」
「ああ、佐祐理、きつくて熱くてとても気持ちいいよ…。」
「ほ、本当ですか…祐一さん…?」
俺はうなずいて佐祐理を抱いたまま身体を起こすと、キスをしながら乳房を激しく揉んだ。
佐祐理の痛みもだいぶ薄れたのかだんだん佐祐理の腰の動きも激しくなってきたので
俺も少し動きを激しくすることにした。
「あっ、あっ、はあ、はあ、も、もうだめです…。」
俺は激しく腰を動かしながら頭のどこかで舞と初めてした時もこんな感じだったな。とぼんやり考えていた。
勿論その時は初めての時とは違って、多少はどうすればいいのかもわかっていたつもりだったが、
それをまさか佐祐理で試すとはこれっぽちも思っていなかった。
その後の俺は舞への後ろめたさの為か、もう何も考えられなくなりひたすら腰を前後させた。
「も、もうだめだ。佐祐理、いくぞっ!」
そしてもう耐えられなくなり佐祐理からペニスを抜こうとすると、佐祐理は全身で俺の身体に
しがみついてきた。
「あっ、くっ、い、いいんです、祐一さん。き、気にしないで佐祐理の中で…」
その言葉を聞いた途端、俺は佐祐理の中に射精してしまっていた。
「本当に中に出して良かったのか?もし…」
終わった後俺はティッシュで後始末をしながら佐祐理に尋ねた。
「心配ありません。大丈夫なはずです。」
「でも…」
「それ以上何も言わないで下さい。………もう休みましょう。」
「そうだな…。明日は早く起きなきゃダメだしな。」
「はいっ。ちゃんと佐祐理が起こしますから安心してくださいね。」
そして俺が目を閉じると強烈な眠気が襲い、意識は薄れていった。眠りに落ちる寸前
俺は佐祐理が何か呟いたのを聞いたが、何を言ったのかはもうわからなかった。
「…さん、祐一さん、起きてください…。」
俺は佐祐理の声で目覚めた。
「……ああ、佐祐理。おはよう。」
「…もう、前のように呼んで下さい。佐祐理の勝手なお願いですけど…。」
「…ああ、わかったよ、佐祐理さん。」
俺は「今夜は」もう終わったんだと思い、佐祐理さんの頼みを素直に受け入れた。
「それじゃあ、佐祐理はシャワーを浴びて自分の部屋に戻ります。」
そう言って佐祐理さんが部屋から出ていこうとした時、俺は思わず声をかけていた。
「佐祐理さん、本当にそれでいいのか?今までの関係に戻れるのか?」
「…これでいいんです。それに…元に戻れるかはわかりませんけど…舞のためにも…。」
「……。」
「祐一さん、舞と幸せになってください…。」
「…ああ。」
そういうと佐祐理さんは部屋から出ていった。俺は昨夜の後始末をすると
ベッドに倒れこんだ。そして舞や佐祐理さんの事を考えてるうちに再び眠りに落ちていった。
コンコン。
「祐一、朝。早く起きて。」
舞の声で俺は再び目覚めた。俺はどんな顔をして舞に会えばいいのかと悩んだが、
ここでそんな事を考えても無意味な事に気付きドアを開けた。
「…舞、おはよう。」
「祐一、おはよう。朝ご飯も出来てる。」
「ああ、シャワーを浴びてから食べる事にするよ。」
俺はいつものように答え(本当に出来ていたかはわからなかったが)、浴室に向かった。
「おはよう、佐祐理さん。」
「あははーっ、おはようございます、祐一さん。」
シャワーを終え、リビングに行くと佐祐理さんはもういつもの席についていた。
「それじゃ、舞、祐一さん、朝ご飯にしましょう―っ。」
それは以前と全く変わらない朝だった。
俺はその時、舞が俺と佐祐理の関係に気付く事への不安も、俺達3人が以前の関係に
戻れるのかという悩みも、もう考えないことにしようと決めてしまっていた。
そして俺は大学を卒業し、舞とともにこの街を離れる事になった。
名雪や秋子さんとも別れを済ませ、ついにこの街を離れる日がやってきた。
「佐祐理さん…お別れだね。」
佐祐理さんはこの街に残って父親の秘書を続ける事になっていた。
「はい…祐一さんも舞もお元気で。」
「佐祐理…私は…私は佐祐理と別れるのは嫌だ…。」
「ダメです…舞…佐祐理は祐一さんと…舞を裏切るような事を…。」
「!、佐祐理さん…。」
「そんな事…知っていた…いくら私でも…祐一と佐祐理を見れば…わかる。」
「「!!」」
俺はその時舞にばれてないなどと思っていたと自分の浅はかさを呪っていた。
「でも…佐祐理だから…私は佐祐理のことがすごく嫌いじゃないから…。それに…
佐祐理も祐一の事を必要としていたのはわかっていたから…。だから、だから、
これからも3人で暮らしたい…。」
「舞…。」
「あははーっ、ダメですよ、舞。いくら佐祐理でも新婚さんの家にお邪魔することは出来ません。
それに祐一さんは舞を選んだんです。佐祐理は…大丈夫ですから…祐一さん、舞とお幸せに。
それじゃ舞、祐一さん、身体にだけは気をつけて。さようなら。」
そう言うと佐祐理さんは俺達に背を向け歩き出した。
「待って!佐祐理。まだ話は…」
その時俺は思わず舞の肩をつかんで言ってしまった。
「やめろ…舞。佐祐理さんの気持ちもわかってやれ。」
「そんな…祐一、佐祐理をこのまま…」
「いや、多分…これでいいんだと思う。それに…いつまでも3人では暮らせないだろう?」
「祐一…ぐすっ、ぐすっ。うわああああん。」
舞は泣き出してしまったが、もう佐祐理さんを止めようとは言い出さなかった。
それから1年後俺と舞は結婚した。式に出席した佐祐理さんは俺達をこの上ないくらい祝福してくれた。
その後しばらくして俺達に佐祐理さんから結婚式の招待状が来た。佐祐理さんの結婚相手は
父親の後継者と噂される秘書の一人だった。彼は婿養子となって倉田家を継ぐのだ。
俺は舞と二人で佐祐理さんの結婚式に出席した。佐祐理さんの結婚相手はいかにも頭の切れそうな
人当たりの良い青年だった。そして式の最中、俺は佐祐理さんの笑顔があの屋上への踊り場で
俺にお弁当をすすめてくれた時と同じ事に気がついた。佐祐理さんはまだ過去を振り切れては
いなかったのだ。その笑顔を見て俺はもし、あの時佐祐理さんを止めていたら…などと考えてしまっていた。
しかし、すぐにやめる事にした。所詮、俺には舞と佐祐理さんの二人を幸せにする事なんて出来ない。
それに俺は舞を選んだのだから。俺はさっきの考えを頭の中から追い払い、言った。
「佐祐理さん、結婚おめでとう。」
=END=
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